木原先生と波音(なおと)くん
東戸塚医院も開業から早いもので6年が経過しました。
今日は木原先生と仲良しの佐藤波音(さとうなおと)くんのエピソードをご紹介します。
波音くんは6年前に、夜間救急で来院した2歳の男の子で、とにかく泣く!泣く!
毎回、木原先生も波音くんも・・・ふたりで汗びっしょり・・・悪戦苦闘の治療でした。
そんな波音くんも今では8歳・・・
そして今日は、嬉しいことに・・・『木原先生、読書感想文コンクールで最優秀賞をもらったよ~』って文集を持ってきてくれました。
子供の成長する姿はとてもステキなので・・・お母様の許可を得てお披露目です!
最優秀市長賞(横浜市)
飯島小学校 2年 佐藤 波音 くん
書名 いのちは見えるよ (及川和男著 岩波書店)
この本に出てくるルミさんは目が見えないけれど、手でさわったり、においをかいだりして赤ちゃんを一生けんめいそだてています。
赤ちゃんをそだてることは、とてもたいへんなことです。目が見えないと、もっと大へんだと思います。
ある日、となりのいえのエリちゃんに、
『赤ちゃんのかおが見えるといいね』 と言われますが、ルミさんは
『いのちは見えるよ』 と言いました。
『いのちって見えるの』 ぼくはおもいました。
ぼくは、生まれたときからびょう気で、何もたべられなくておっぱいしかのめませんでした。おかあさんは、びょう気だと思って大きいびょういんにいくつも行ったけど、おいしゃさんにちがうって言われました。
でも、やっぱりしょくどうのびょう気だと分かって三回手じゅつして、やっとごはんがたべられるようになりました。
おいしゃさんが分からなかったのに、どうしておかあさんには分かったのか聞いてみると、
『じ分の子どもは、とっても大切だから何でもわかるのよ』と言いました。
いもうとが、ねつを出したときもかならず手でさわってねつがあるかたしかめます。目でみるだけでなく体でかんじています。
ぼくのあかあさんは目が見えるけど、ルミさんと同じで体ぜんぶをつかってぼくたちをそだててくれています。大切なものは、目で見えるのではなく、こころの目でかんじて見るのだと思いました。
ぼくは、目をとじておかあさんにだっこしてもらいました。おかあさんのしんぞうの音が聞こえて、こころがジワーッとあたたかく、とてもしあわせな気もちになりました。
ぼくにもすこし、いのちが見えたように思いました。