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2019年12月13日

こんにちは、新杉田医院の衛生士、平田です。

もう師走ですね!一年がたつのって早い・・・
前回夏に歯の博物館見学の一部をご紹介させていただきました。
今回も引き続き第2弾、入れ歯(義歯)についてご紹介したいと思います。

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近年、義歯は人工歯がキレイに並ぶレジン系のものが主ですが、日本で発見された最古の義歯は1538年に没した尼さんの総義歯(上)で、現在とは全然素材の違う木床義歯と言って、木で作られたものだったそうです。

"木の入れ歯"なんて、どうやって形作ったの?と、とても疑問に思いました。
こんな昔に技工士さんなんているわけがありません!いったい誰が?と・・・・
実はこの頃は仏師さんが義歯を作っていたそうで、床には"つげの木"が使われ、前歯には象牙、蝋石、人や動物の歯が使われ、奥歯には金属の鋲が使われていたそうです。

日本人は手先の器用さで世界に類のない"木の文化"を遠く縄文時代から持っていた為、現在の義歯と比較しても審美的にも実用上からも遜色のないものが、数百年も前に完成させていたなんて、すごいですね!

では、海外ではどうだったのでしょう?
18世紀頃からヨーロッパでは上下の総義歯の後方に保持用のバネを取り付けて義歯を安定ささていたそうなのですが、実物を見てビックリでした!カスタネットのように上下が
くっついて、開いてしまっているんです!もちろん口の中にこの義歯を入れても自らが口を閉じようとしないと、閉じることはできない構造になっているのです!すごい発想ですね・・・
1912平田2.jpg
この頃の義歯は食物を咬むことは大変難しく、主として容貌を整える為の義歯であり、食事の時は義歯を外し、食事が終わったらおしゃべりの為に義歯を入れていたそうです。

また、実用性が悪いだけでなく、義歯の材料にはカバ、セイウチの牙、牛の骨、象牙等が使われ、唾液や食物の作用で黒ずみ腐敗が生じ、手入れが悪いほど腐敗臭がひどかったそうです。
この原因を取り除く為にウエッジウッド工場が協力し陶器義歯に改良したそうです!
現在では食器で有名なWEDGWOODですが、この頃陶器義歯を作っていたなんて驚きました。

ちなみに、アメリカ初代大統領ジョージワシントンが用いた義歯も同様のものだそうで、1ドル紙幣に描かれている、口を真一文字に結んだ硬い表情は、口から入れ歯が飛び出さないようにしているものと言われているようです。
1912平田3.jpg

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木原会郎

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